隣接二項間の計算は15秒でできる

前回お話したように、隣接2項間の解き方をマスターすれば、漸化式全体がかなり見渡せるようになります。そこで、いっぷう変わった隣接2項間の解法について提案してみます・・・・続く

 

問) a1=1,   a(n+1)=3a(n)+2 を解け、という問題があったとします。

当然、特性方程式「α=3α+2」の解であるα=-1を用いて与式を変形し

a(n+1)+1=3[a(n)+1]・・・@ という形まで持ってきます。

このあと、普通はa(n)+1=b(n)などとおいて等比数列として求めますがそれはややこしい。

そこで提案です。

a(n+1)+1=3[a(n)+1]・・・@の両辺をよく見比べてみてください。

左辺は(n+1)次のワールドで、右辺は(n)次のワールドになっています。

つまり、左辺から右辺に1次下がると「3」がひとつ出てきます。

ということは、2字下がるとが二つ出てきて

a(n+1)+1=3[a(n)+1]=3^2[a(n-1)+1] となるはずです。

@を1次下げてa(n)+1=3[a(n-1)+1]としてもとの@に代入すればそうなります。

では一気に(1)次のワールドまで下げてしまいましょう。

[a(n+1)+1]から[a(1)+1]まではn次下がっているので、3^nが出てきて

a(n+1)+1=3[a(n)+1]=・・・・・=3^n[a(1)+1] という式が成り立ちます

途中をすべて省けば

a(n+1)+1=3^n[a(1)+1]

この両辺の次数を一つずつ下げて、左辺の+1を移行すれば

a(n)=3^(n-1)[a(1)+1]-1

これにa(1)=1を代入すれば

a(n)=2*3^(n-1)-1

となります

 

以上は、途中の経過を説明したので逆に大変に感じるかもしれませんが、一般化すれば、次の手順で求められます

 

a(n+1)=p*a(n)+q において、特性方程式(α=pα+q)の解をαとおくと

a(n)=[a(1)-α]*p^(n-1)+α

これに、特性方程式で求めたαと、与えられたa(1)の値を代入すればいいのです。

慣れれば10~15秒くらいです。